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クルド人男性「殺されると思った」入管施設で“暴行” 一部の行為 違法国に賠償命令

 

ANN NEWS(04/20 23:30 配信)を転載します。

 

クルド人男性「殺されると思った」

入管施設で“暴行” 一部の行為違法 国に賠償命令

 

茨城県の入管施設で職員から暴行を受けたなどとして、クルド人の男性が国に損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は、一部の行為について、違法だったとする判決を言い渡しました。

クルド人のデニズさん(44)は、トルコに国籍を持ちますが、迫害の危険を感じ、16年前に来日しました。

デニズさん:「私の奥さんは日本人。日本人大好き。日本人は優しい」

これまでに3回、難民申請をしていますが、在留資格を得られず、何年にもわたって入管施設に収容されてきました。

問題の暴行があったのは4年前。睡眠薬を求めても処方されず、大声で抗議したところ、別室に連行され、暴行を受けたといいます。デニズさんは国に約1100万円の損害賠償を求めて提訴しました。

判決では、左あごの下の『痛点』痛みを感じる場所を20秒ほど強く押したことや、手錠をかけたまま1分以上、両腕を持ち上げたことなど、一部を違法であると認定。国に22万円の支払いが命じられました。

ただ、今回の件が自殺を図るほどのストレス障害の原因になったという訴えは認められませんでした。

デニズさん:「(Q.認められていない部分があるが、どんなところを認めてほしいか)私の自殺未遂は(暴行を)やっている彼たちのせいで。でも裁判では『そういうことはない』と言っています。それはおかしいですね。私は心が傷で悲しい、すごく悲しい。助けてくれる人いない。毎日暴行、毎日懲罰、怖い、殺される思ったこともある」

今でも薬が欠かせないといいます。

裁判では、このような証言もありました。デニズさんがされた、痛点を押して、叫ぶのを止めようとする行為。暴行した職員は「訓練で習った」と言うのです。ただ、この職員の上司は訓練について「聞いたことがない」としています。

国会では、出入国管理法の改正案が審議されている真っ只中。法案が成立すると、難民申請をしている間も、3回目以降は原則、強制送還が可能となります。デニズさんは今、4回目の申請の最中です。

デニズさん:「苦しいけど、頑張らないとですよ。私が頑張らないと、別の人は証拠はないので頑張ることはできない。私が頑張らないとできないです」